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あらすじ
「大学ん時から7年付き合っていた
渋谷くんが出て行った。」
海沿いの道を歩く女が1人。
片方の手には手書きの地図、もう片方の手にはキャリーケース。
化粧の下には涙跡。
駒場は都内でOLをしている。つい先日、7年間同棲をしていた「渋谷くん」から突然の別れを告げられるという晴天の霹靂的な惨事に見舞われ、友人チャコに電話した。
「この部屋は思い出が多すぎて……」
「じゃあうちに来ちゃいなよ。」
400字詰め作文用紙をじっと見つめる男子が1人。
今日の作文テーマは「将来の夢」
池ノ上は疑問に思っていた。どうして「お母さんになりたい」は通用するのに、
「お父さんになりたい」は受け入れられないのだろう。
「それから数十年後、僕は保育士になった。」
今日は休日。ぴんぽーん。玄関から間の抜けた音がした。誰か来たようだ。
江ノ電に揺られる女が1人。
チャコは売れっ子絵本作家だ。“パンちゃんとラーラちゃん”シリーズは子供たちに大人気だ。子どもたちに夢をお届けする仕事。なんて素敵な仕事だろう。
チャコは電車に乗っている。どんどん海を離れていく。
「一体どこに向かっている?」
ビル群の真ん中で立ちすくむ男が1人。
スマートフォンが耳から離れない。離せない。
北沢は天を仰ぐ。
「あー、やっちゃった……」
海辺にぽつりと男が1人。
浜田山は今日も海を眺めている。
© 河内遙/祥伝社フィールコミックス
「しかしナンですね……
なかなかどうして共犯めいてる。」
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